江戸日和 きもの 江戸日和 きもの

江戸日和 きもの

260年にわたる天下太平の世が続き、さまざまな面で文化が開花した江戸時代。そこで生まれた美意識や洒落、遊びは現代でも受け継がれています。東京は小石川で創業したきものやまとが、「江戸」をテーマにさまざまな想像を掻き立てながら、「きもの」「ゆかた」「帯」「襦袢」「装身具(帯留・根付・髪飾り)」をつくり上げる江戸日和シリーズ。伝統と新しさを組み合わせて「新しい価値」と「気づき」を伝えます。

江戸日和 きもの

江戸日和 きもの

きもの 江戸の道中に想いを馳せて

東海道の整備によって宿場町の機能が充実し、本格的な旅が発達した江戸時代初期。当時、人々にとって旅は「一生に一度は」と憧れを抱く特別な体験でした。お伊勢参りや名所巡り、遊山など、旅のスタイルは多様で、それぞれに楽しみ方がありました。ゆっくりとした時間が流れる旅の名所、歩きながら使われた道具の数々──江戸の旅には、当時の人々の暮らしや情緒が色濃く映し出されています。「江戸日和」秋冬のシリーズでは、そんな江戸の道中から着想を得たモチーフや情景を、絵柄としてきものに表現。まるで物語を纏うような、きものやまとならではの着姿をご提案します。

江戸日和 きもの

江戸日和 きもの

江戸日和 きもの

着姿を調える

今でこそ、着姿の中心となる帯ですが、昔は細い紐で結ぶだけでした。現在の帯の原型は江戸時代に完成したとされ、太鼓結びは 1813年、江戸亀戸天神の太鼓橋が再建落成された時、それにちなんで深川の芸者が結んだ帯の形が元と言われています。江戸を感じる色柄をモチーフにした帯を楽しんでいただきながら、粋な着こなしができる「ぶっちがい」という巻き方をはじめとした表情豊かな帯結びを提案します。

江戸日和 きもの 江戸日和 きもの
襦袢 洒落の象徴

江戸時代、幾度となく発令された奢侈禁止令。地味なきものしか着られなくなった江戸っ子の見えない部分の装飾を楽しむ反骨精神と粋の文化を象徴する装いの一つが襦袢になります。この江戸シリーズでは長襦袢の色柄を楽しむことがスタンダードだった時代を感じていただくため、色や柄にこだわった麻襦袢を展開します。江戸の洒落な嗜みは、私たちに新しいひらめきを与えてくれます。

江戸日和 きもの

装身具 (帯留・根付・髪飾り) 感性の象徴
装身具 (帯留・根付・髪飾り)
感性の象徴

日本の装身具の歴史は江戸時代からが最も豊かで多様化します。1831年頃、金具つきの帯〆が出たのをきっかけに「帯留」はセンスを発揮する大切な装身具となり今に続いています。髪飾りも、身分を問わず櫛の着用が 広まり、素材も鼈甲、木地蒔絵、象牙、 真鍮などシンプルなものから華やかなものまで登場。装飾品を慈しみ身につける日本人の細やかな感性が浮かび上がってきます。秋冬の装身具として、江戸時代に流行した雪の結晶「雪華」をモチーフにした帯留や印籠根付、簪を展開。それにあわせて、髪型は女性の毛流れを美しくみせる「三つ編み」「フィンガーウェーブ」「庇髪(ひさしがみ)」を取り入れ、懐かしくも新しい表現をしています。

江戸日和 きもの

江戸日和 きもの

浮世絵きもの

のぞき椿と隅田川

江戸日和 浮世絵きもの

江戸日和 浮世絵きもの

江戸の船旅をテーマに静かな情緒と女性らしさを表現したスタイルです。シックなグレーのきものに、伊藤若冲の絵巻物『菜蟲譜』を帯柄として表現した西陣織の名古屋帯を合わせました。深みのある赤色の長襦袢に合わせて、半衿も同じ赤で統一。“首・手首・足首”の三首に深紅を配することで、落ち着いた雰囲気の中に、しっとりとした女性らしさを感じさせます。帯まわりには、帯の品格を引き立てるよう、やわらかな色合いの帯揚げとしごきを選びました。帯結びは角出し。ボリュームのある庇髪に合わせて、やや大きめのフォルムで結び、優雅な佇まいを演出しています。

江戸日和 浮世絵きもの

小紋

旅道具と隅田川

江戸日和 小紋

江戸日和 小紋

山野に出かけて景色を楽しみ、行楽を満喫する江戸時代の「遊山」。そんな遊山を楽しむ、元気でちゃきちゃきな江戸の女性をイメージしたスタイリングです。黒地に江戸の旅道具をあしらった小紋柄のきものに、鮮やかな赤で花札模様を染め上げた帯を合わせ、華やかさと粋を演出。帯周りには、当時大流行した雪華模様の帯留めと印籠を添え、発色の良い黄色の三分紐で色彩のアクセントを加えました。衿元には、東海道を旅する鳥獣戯画の金銀糸で刺繍した半衿がちらりと覗き、遊び心を添えています。番傘柄の帯揚げなど、モチーフのある小物を散りばめることで、江戸のちゃきちゃきスタイルに軽やかな洒落感をプラスしました。

江戸日和 小紋

江戸日和 小紋

浮世絵きもの

のぞき椿と隅田川

江戸日和 浮世絵きもの

江戸日和 浮世絵きもの

歌川広重の名所江戸百景「真崎辺より水神の森内川関屋の里を見る図」をきもの柄として表現しました。衽柄に配した浮世絵は、料亭の丸枠の障子窓越しに隅田川の風景を描いた図。波柄の地模様が映えるグレー地でシックな印象の一着です。八掛には、窓外の隅田川の景色を描いた柄を付けており、江戸の名所をきもので表現しました。後ろには、背縫いから椿の花が覗かせています。ゆったりとした襟合わせで大人っぽく、丸みのあるくし形帯留めや文庫結びで可愛らしく着こなした大人な町娘スタイル。

江戸日和 浮世絵きもの

江戸日和 浮世絵きもの

小紋

旅道具と隅田川

江戸日和 小紋

江戸日和 小紋

江戸時代の旅道具を小紋柄として表現したデザインです。現代のように便利な交通機関のない、歩き続けて巡る旅。暗い夜道は提灯で灯し、暑い日は扇で仰ぐ。旅の記録を書き留める為、帯に矢先を忍ばせるなど、江戸の旅道具からは当時の情緒溢れる暮らしが伺えます。八掛には、船旅をする猫を忍ばせ、遊び心をプラス。シックな黒地に洒落っ気を詰め込んだきものを鮮やかな色合わせで引き立たせて、可愛らしい着姿を演出しました。

江戸日和 小紋

片貝木綿

矢鱈縞無地 白鼠

江戸日和 片貝木綿

江戸日和 片貝木綿

江戸時代に流行した縞柄で表現した木綿きもの。太さの異なる縦縞を並べた矢鱈縞にすっきりとした無地場を持たせた粋なデザインです。江戸らしい白鼠色のきものに、控えめに見せた黒色の半衿と深みのある緑色の帯を「ぶっちがい」の締め方で、渋みのある大人な着こなしに。帯周りに黄色や朱、白などの小物合わせで色を加え、江戸の古地図描いたの巾着バッグで着姿にアクセントを加えました。遊びのあるフィンガーウェーブヘアで抜け感を演出した、粋好みな町娘スタイルです。

江戸日和 片貝木綿

江戸日和 片貝木綿

片貝木綿

格子 海老色

江戸日和 片貝木綿

江戸日和 片貝木綿

鮮やかな海老色が印象的な格子柄の木綿きもの。二筋格子と三筋格子を掛け合わせた奥行きのある格子柄です。江戸のかわいい町娘の着こなしをイメージしました。雀の刺繍であしらったピンク色の半衿をたっぷり見せて可愛らしく、帯周りや羽織には江戸らしい抹茶色を重ねて。帯周りと羽織の色味を統一させることで、きものの色柄を引き立たせました。唐辛子模様の染帯も江戸らしいアイテムの1つです。赤い布を編み込んだ三つ編みヘアで、茶目っ毛のあるスタイリングです。

江戸日和 片貝木綿

江戸日和 片貝木綿

江戸日和 片貝木綿

江戸日和 片貝木綿