5 目破り(めやぶり)・絣部分解き~すり込み による美しい多色表現
絣部分に彩色がある場合は、設計図に沿って、泥染めされた絣筵をほどき、染料を摺り込んで彩色します。締機により絣部分が染まらないよう綿糸で締められた部分をほどいて、染まっていない絣部分を出す作業を目破りといいます。色を挿す箇所のみ部分的に糸を解くため、絣部分解きといわれます。
図案に基づきながら、目破りされた絣に染料を摺り込んでいきます。多色表現される大島紬などでは、1色1色絣に色を摺り込んでいかなくてはなりません。大変手間と忍耐を要する細かい仕事です。摺り込む際には、竹や金属のヘラ、針やスポイトなどを用いています。
こうして染色が全て済んだら、1度締機で織りあげた絣筵を全てほどき、経糸・緯糸を整えて織の準備に入ります。