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ニコニコと穏やかな笑顔でゆかた姿もこなれている安齋肇さん。安齋さんといえば、30年続いた人気TV番組『タモリ倶楽部』で『空耳アワー』のコーナーを盛り上げた、“ソラミミスト”を思い出す方も多いのではないでしょうか。イラストレーター、アートディレクターとして多方面で活躍する安齋さんですが、近年最もハマっているのはなんと、陶芸だとか。
「もともと伝統工芸とか、窯から出して気に入らないとガシャンと割っちゃうみたいな世界とか、憧れるよね。できないだけにね。だから最初は楽焼きだよ、お皿に絵を描くみたいな。でもさ、いざやってみたらすっごい面白いんですよ。本当はもっとアバンギャルドなものをバーンと作って、芸術は爆発だ!みたいにやりたいんだけどね。僕は絵が描けちゃうから、どうしてもすぐ絵を描いちゃう。作って売れなかったらどうしようって思っちゃってさ。弱気の貧乏性なんですよ」
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そんな安齋さんが作る陶芸作品とは、一体どんなものなのでしょう?
「最近の陶芸は、全然わけがわからないもの。絶対に無駄なもの。例えば仏像みたいに人の役に立つものじゃなくて、これはペンギンかな、それとも恐竜かな?みたいな。プリミティブな置物です。それで展覧会をすると、自分が気に入ったものから売れちゃうんだよね。変なやつばっかり残るんだよ。それがまたね、恥ずかしながら愛おしいのよ。僕はTシャツが好きで、自分の絵柄で作るんだけど、自分で着るのはやっぱり恥ずかしいんだけど、愛おしいのよ」