Q. この仕事に就いたきっかけは?
敷かれたレールにのるようで嫌でしたが、どこかで継ぐという自覚はありましたね。
うちは今年で創業してから252年になります。親父が10代目で、子供のころから、親からも周りからも当たり前のように跡取り息子という感じで見られていて、何となく、この家を継がなくてはいけないんだろうな、ということは感じていました。小さいころはそれがレールに敷かれたように思えて嫌でしたけどね(笑)。
そんなこともあり、高校でも繊維関係を専攻して学んだ後、卒業してからも大学に入って染色関係の勉強をしていました。卒業後は、京都へ丁稚奉公に4年ほど出てから家に戻りました。京都の問屋さんで修行していたときには、米沢さんちに限ることなく、日本全国でつくられた多種多様な着物に触れ、見識が広がりましたが、実際にものづくりの現場にはいませんでした。家に戻り、いざ、ものづくりとなると、経糸と緯糸の計算、風合いを生む技術、どれもこれもが難しい仕事で、一からの勉強でした。ものづくりの仕事に馴染むまでには、最低でも5年くらいはかかったかと思います。