一番のポイントは、平地の織物を織るときです。ちょっとしたことで帯の表情が変わってくるんですね。横糸が少し硬かったり、滑りが悪かったり、機械の筬打ちのタイミングがずれると見え方が変わります。なので本当にきれいでなめらかな帯が仕上がったときは嬉しいです。
帯は丸巻の状態でお客様に見て頂くことが多いのですが、きれいでなめらかな帯に仕上がると、台に帯を流した時、美しく流れるんですね。その瞬間は非常に嬉しいですし、見ているお客様にも喜んで頂けると思います。
季節によって糸の状態も変わりますので、梅雨時期に織るのと冬の時期に織るのとは違ってきます。梅雨時期は湿気を含むので、帯が締まる感じがします。冬は乾燥して、帯が柔らかくなる感じがします。なのでそうした気候に左右されず、年間を通して、流してサーッときれいに流れる帯を作ることを目指しています。