さんちつくりべ 宮田織物

宮田織物 ―西陣織の帯・墨流しetc.―

京都・西陣

宮田織物

西陣織の帯・墨流しetc.

展開商品例

宮田織物×きものやまと
オリジナルきもの

墨流し

〈偶然性から生まれる、唯一無二の染め〉
こちらの墨流しのきものは、落ち着いたグレーの濃淡に鮮やかな濃いグリーンをさし色にしました。グリーンを入れることで白がより清々しく映え、着姿に凛としたメリハリが出ます。生地には適度な張りとふんわり感のあるタッサーシルクを使用しました。とても軽くて滑りにくい素材です。帯は同色系の墨流しの帯を合わせて馴染ませ、帯〆・帯揚の濃い色目でまとめました。墨流しの艶やかな模様が人目を惹く一枚です。

きもの:宮田織物謹製 墨流し
341,000円(税込・⼿仕上ミシン単衣仕⽴付)

帯:宮田織物謹製 墨流し京袋帯
220,000円(税込・仕立付)

宮田織物×きものやまと
オリジナルアイテム

墨流し

253,000円(税込)~
手仕上ミシン仕立付

墨流しの魅力である、1つ1つ表情の異なる模様の変化を愉しんでいただける一枚です。宮田織物らしいスタイリッシュな墨流し模様を活かしながら着姿の美しさにこだわったオリジナル配色です。墨流しに縦ぼかしを重ねたすっきりとしたタイプや、こなれ感のある横段タイプなど幅広くご用意しました。透け感のある紋紗生地のタイプは軽やかな羽織やコートとしてもおすすめです。

宮田織物×きものやまと
オリジナルアイテム

本しぼ杉木目

297,000円(税込)~
手仕上ミシン仕立付

江戸初期から織られている本しぼ織。四千回以上の撚りがかかった強撚糸を織る技法です。さらりとした手触りでありながら、本しぼ織独特のふっくらとした高級感のある生地感が魅力です。本しぼ織の技法を用い繊細な杉木目の模様をすっきりとした縦柄で表現しました。お顔映りを見ながらお選びいただける6色展開です。飽きのこない幅広いシーンでお召しいただける一枚です。

宮田織物×きものやまと
オリジナルアイテム

藍染 紋紗羽織

308,000円(税込)~
手仕上ミシン仕立付

極限まで薄く織り上げた紗の生地を深い藍で染め、ぼかしや友禅を施しました。経糸緯糸ともに強撚を施し、薄くてもハリがあり、シワになりにくく強度があります。繊細な薄さゆえに、重なりや動きによって見え方の変化する色や柄が魅力です。

※掲載写真はイメージで、価格は一例です。
商品・価格の詳細はご案内店舗スタッフにお問い合わせください。

京都・西陣

宮田織物

西陣織の帯・墨流しetc.

 宮田織物さんは大正10年(1921年)に創業し、京都北山、左大文字山が見える工房で、京都の自然と歴史に囲まれた中、ものづくりをしています。この地は、金閣寺にもほど近く、洛北と呼ばれます。創業前より織物を手掛けており、そのルーツは江戸時代後期にまで遡ります。やまととは昭和30年代ころからのお付き合いで、かれこれ60年以上にもなり、これまで数多くのやまとオリジナル商品を創作しています。図案から製織まで全て自社での一貫生産というのが、大きな特徴で、独自のさまざまな織技と吟味された素材を駆使し、「帯」「きもの」そして「小物」までトータルで、こだわったものづくりをしています。

自然と歴史に囲まれた洛北にある宮田織物さん

自然と歴史に囲まれた洛北にある宮田織物さん

左大文字山を臨む社屋からの風景

左大文字山を臨む社屋からの風景

今宮神社の境内地にある織姫社には、織物の杼を模した碑があります。

今宮神社の境内地にある織姫社には、織物の杼を模した碑があります。

宮田織物さんをはじめ西陣織の織元さんのお名前もズラリと。

宮田織物さんをはじめ西陣織の織元さんのお名前もズラリと。

膨大なオリジナル商品のアーカイブ。やまとオリジナルはこれまでに、約1800柄ほど手掛けていただいています。

膨大なオリジナル商品のアーカイブ。やまとオリジナルはこれまでに、約1800柄ほど手掛けていただいています。

流行りにとらわれず、普遍的な古典の善いものの「原本」からオリジナルへと昇華させるものづくり

流行りにとらわれず、普遍的な古典の善いものの「原本」からオリジナルへと昇華させるものづくり

作り手インタビュー

宮田織物×きものやまと

作り手インタビュー

宮田織物 社長
宮田浩次さん

宮田織物 社長
宮田浩次さん

宮田織物 社長 宮田浩次さん

全て自社一貫生産で、オリジナル商品のものづくりを得意とする宮田織物さんは、やまとのみならず、他有名ブランドのオリジナル商品なども手掛けています。宮田織物さんの宮田社長にお話しを伺いました。

ものづくりの「こだわり」は?

流行りではなく、古典の原本を現代に合わせ昇華させたオリジナルのものづくり

 うちでは、いわゆる古典といわれる奈良の正倉院文様や、名物裂、尾形光琳などの琳派といった、時代に関わらず普遍的な善いものの「原本」をベースに、今の時代にどのように取り入れられるか、どうオリジナルへと昇華させるかにこだわった、独自のものづくりをしています。
 流行りものというのは、長く続きません。雑誌などを参考につくるのは、流行りの模写であり、そこから派生したアイテムというのも続きません。逆に、古典の原本から発想をスタートさせると、1つのモチーフから様々な展開が生まれます。うちがオリジナル商品を得意とする理由には、こうしたものづくり・デザインの歴史があるからだと思います。

貴重な資料が数多くある書庫

貴重な資料が数多くある書庫

古典を現在に合わせデザインする

古典を現在に合わせデザインする

上杉謙信公のビロードマント(復元品)

上杉謙信公のビロードマント(復元品)

針金を通し織りあげた後、糸をカットするとビロードに

針金を通し織りあげた後、糸をカットするとビロードに

宮田織物さんの特色とは?

デザイン・紋紙づくり(設計)・製織まで自社内での一貫生産による強み。

 うちでは、全て自社内で職人さん・工場を抱えており、図案から織まで一貫して自社でつくっています。そのメリットというのは、トライ&エラーを何度も繰り返すことができ、コミュニケーションも早いので、他社にはない独自のものづくりが可能となっています。
 例えば、デザインをする絵描きさんが努力して描いた図案を、設計図に落とし込む建築士さんのような役割の紋屋さんが実際に設計していくのですが、その後の織も含めて、自社内だとスムーズに、そしてスピーディーにやり取りができ、サンプルが上がったら、ああだこうだと修正もすぐに可能です。デザイン・紋紙・糸屋・織屋、それぞれ社外に発注していたら、なかなかここまでこだわったものづくりをすることは難しいと思います。

自社工場内には、様々な織機がたくさんあります

自社工場内には、様々な織機がたくさんあります

(左)昭和初期のジャカード織機 (右)紋彫り機

(左)昭和初期のジャカード織機 (右)紋彫り機

<ジャカード織機とは?>

 ジャカード織機は、1801年、フランスの発明家、ジョゼフ・マリー・ジャカールによって発明された自動織機です。1872年(明治5年)にはフランスのリヨンに職人の井上伊兵衛と佐倉常七と吉田忠七を派遣してジャカード織機を導入、3年後には荒木小平が国産のジャカードを誕生させました。その結果、高機では出来なかった幾多の織物を産み出し、量産を可能にしました。現在も西陣は日本の織物の最高峰を占めています。

ジャカード織機とは
ものづくりの「楽しさ」は?

実際に「着る」ということを第一に考えたものづくりは面白いですね。

 西陣では、織の帯づくりが中心ではありますが、当社では約20年前くらいから、西陣御召をはじめ、墨流し染めなど様々な「きもの」のものづくりも手掛けています。元々自社の工場を抱えているのですが、そこに着尺用の織機も設置しました。伝統的な西陣御召は、従来のパリッとした風合いを、より優しく、着やすく、柔らかい、今までの風合いとは異なった御召素材などもオリジナルで開発しました。それは、実際にきものをお召しになられる方が、気持ちよく着ていただけるようにと、「着る」を第一に考えてつくりました。こうした取り組みは、面白いですね。

着物を着て京都を訪れた際におすすめの場所は?

京都は格別です。そして琵琶湖の鮎も美味しいですよ。

おすすめグルメは 琵琶湖の天然鮎。
本当においしいそう。
京都市にある「天㐂」がお気に入りです。
京都にぜひ着物できて、
鮎を是非堪能してみてください。

鮎

― 墨流し ―
受け継がれる伝統とこだわり

日本古来の伝統技術、墨流し。
平安時代の宮廷で川の水面に墨を落とし、流れによって生まれる文様を楽しんだ事が
起源といわれています。より複雑で不可思議な「一度しかできない模様」で
おしゃれなきものと帯を創作いたしました。

墨流し ものづくり動画
一度しか出来ない、一期一会の美しい模様が生まれる墨流しの様子を動画でご紹介します。

作り手インタビュー

墨流し 染色
山崎一裕さん

墨流し 染色
山崎一裕さん

墨流し 染色 山崎一裕さん

1反13mある反物を張った板場を、何度も何度も往復しながら染めていくのは、かなりの重労働。
「体が資本」と趣味の筋トレをストイックに続けるこの道30年の染め職人 山崎さんにお話しを伺いました。

墨流しの魅力と、ものづくりの大変さを教えてください。

一期一会・唯一無二の染め

 墨流しの歴史は古く、平安時代後期の王朝貴族たちが川に墨を流し模様の変化を楽しんでいたと言われています。その後、宮廷の女人たちが、水盤の水面に墨を浮かべ、その模様を和紙に写しとって、詩歌を書くようになりました。今のように着物に施すようになったのは、戦後、その墨流しを染色の世界で復元させようとした方がいて生まれたとされています。現在、私を含めて墨流しの作家は約4人くらいでしょうか。墨流しの魅力は何といっても「1つ1つが異なる表情を見せ、同じものが出来ない」といった、一期一会・唯一無二の染めというところです。

 制作はほぼ私1人で行っていますが、忙しいときなどは、もともと職人だった家内にも手伝ってもらうこともあります。朝早くから仕事を始めても、1日で最大5反くらいしか染められません。オートメーション化された製品とは違い、手作りのものづくりには大変時間を要します。
 染める工程では、1反13mほどの反物がそのまま入る水槽を何度も往復します。エアコンをつけると水に浮かべた染料が動いてしまうので、夏でもつけません。暑いときはこの室内も40℃くらいになってしまいますね。そういう意味では、非常に体力をつかう重労働です。

01:新聞紙で水面の余計な汚れや染料を取り除きます

01:新聞紙で水面の余計な汚れや染料を取り除きます

02:スプレーガンで染料を水の上に浮かしていきます

02:スプレーガンで染料を水の上に浮かしていきます

03:吹きかける圧力や量などを調整しながら様々な模様を表現します。

03:吹きかける圧力や量などを調整しながら
様々な模様を表現します。

04:染料を攪拌し、独特な模様を描いていきます。

04:染料を攪拌し、独特な模様を描いていきます。

05:伸子針でピンと張った反物を染料がのった水槽にゆっくりと入れ、染料を写していきます。

05:伸子針でピンと張った反物を染料がのった水槽にゆっくりと入れ、染料を写していきます。

06:染料が生地に入ったら、ゆっくりと引き揚げて、蒸しで染を定着させ水元へと移ります。墨流し加工の後、引染めを施すものもあります。

06:染料が生地に入ったら、ゆっくりと引き揚げて、蒸しで染を定着させ水元へと移ります。墨流し加工の後、引染めを施すものもあります。