首里織(首里花織・ロートン織・花倉織・ティーバナ織)
首里は琉球王朝時代の王都で、首里城の城下町として栄えました。首里に伝わる絣織物や浮き織、紋織を総称して「首里織」と呼びます。これらの織物技術は、中国や諸外国より伝えられたものに独自の創意工夫を加え、多種多様で高度な首里独特の織物文化が花開きました。首里の織物は、士族女性の間で秘伝の技術として母から娘へと口伝で伝えられ、琉球王朝時代には、王族・士族の衣裳として愛用されました。
・首里花織
…表には緯糸の地糸が浮かび、裏には経糸が浮かぶことで柄表現をする「両面浮花織」という織り方で織られています。
・ロートン織
…首里で織られる浮織物で「道屯」「両緞」とも書かれます。裏表共に経糸が浮く織り方です。
・花倉織
…絽織と両面浮花織を組み合わせた織り方で、琉球王朝時代は、王家の妃や王女のための夏衣として用いられました。
・ティーバナ織
…手で糸を織り込んで柄表現をする縫取り織という織り方で、手花織と書かれます。刺繍のような立体感が特徴です。